教職員の長時間勤務の実態は深刻であり、学校における働き方改革が急務となっています。長時間労働の縮減を実現するための業務分担の見直しや、必要な環境整備のとりくみをみんなで行っていくために、まずは「時間外在校等時間」を把握しましょう。
1.「時間外在校等時間」とは?
- 「時間外在校等時間」とは、在校等時間から正規の勤務時間(7時間45分)を引いた時間です。
- 「在校等時間」とは、在校している時間から下記を除いた時間です。
除く時間- 休憩時間(取得できなかった場合は除かない)
- 勤務時間外の自己研鑽や業務外の時間
※校外で行う指導・引率・研修等も「在校等時間」に含めます。
2.「休憩時間」の考え方
なかなか休めませんが・・・(;^_^A
※休憩時間は労基法に規程があり、労働時間に応じて次のように定められています。
労働時間 | 休憩時間 |
---|---|
6時間以下 | 不要 |
6時間超8時間以下 | 45分以上 |
8時間超 | 1時間以上 |
3.「時間外在校等時間」の具体例
基本的な考え方が分かったら、次は具体的な例を見てみましょう。
学校の定時の勤務時間が8:00~16:30で実際に勤務したのが7:30~19:30の場合。
一例:在校している時間(7:30~19:30)の内訳
時間 | 内容 | 分類 |
---|---|---|
7:30~8:00 | 通学指導 | 在校等時間 |
8:00~13:00 | 授業・事務作業 | 在校等時間 |
13:00~13:15 | 実際の休憩時間(A) | 除く時間 |
13:15~16:45 | 授業・事務作業 | 在校等時間 |
16:45~17:45 | 分会集会、自己研鑽(B) | 除く時間 |
17:45~19:30 | 部活動指導・採点等 | 在校等時間 |
「時間外在校等時間」を求める計算式
- 在校している時間-除く時間=在校等時間
- 在校等時間-正規の勤務時間=時間外在校等時間
分類 | 表1の場合(計算) | 表1の場合(合計時間) |
---|---|---|
在校している時間 | 7:30~19:30 | ①12時間00分 |
除く時間 | (A)+(B) | ②1時間15分 |
在校等時間 | ①-② | ③10時間45分 |
時間外在校等時間 | ③-7時間45分 | 3時間 |
「時間外在校等時間」には、下記の上限を守るようルールづくりがされました。
- 1か月の時間外在校等時間の上限時間は、45時間
- 1年間の時間外在校等時間の上限時間は、360時間
時間外在校等時間を減らすことは、私たちが健康で働き続けるため に大切です。
子どもも先生もイキイキと活動できる学校づくりのため、みんなで知恵を出し合い、学校を変えていきましょう。